江戸東京たてもの園は、都立小金井公園内にある野外博物館で、歴史好きやレトロ好きカップルにぴったりのデートスポットです。
江戸から昭和にかけての日本建築が移築・保存されており、園内を歩くだけでまるでタイムスリップしたような気分に。建物の多くは実際に中へ入ることができ、畳の香りや木造のぬくもりを五感で味わえます。
実は歴史の教科書にも登場する2・26事件の舞台や、映画「千と千尋の神隠し」のモデルになったと言われる建物もあり、見どころ満載なんです!

行き方や見どころなど、地元民目線で解説!
江戸東京たてもの園の基本情報
江戸東京たてもの園は、都立小金井公園の敷地内にある施設です。最寄り駅である花小金井駅から徒歩25~30分ほどと電車だけではちょっと行きづらく、バスまたは車・自転車でのアクセスがおすすめです。
なお、毎年10月1日の都民の日は入場料が無料に!都民でなくとも入場料がかからないので、予定が合う方は必見です。
- 所在地:〒184-0005 東京都小金井市桜町3丁目7−1 内 都立小金井公園
- アクセス:バス停「小金井公園西口」から徒歩6分
- 営業日:9時30分~17時30分(月曜定休、10月~3月は16時30分まで)
- 入場料:大人400円
- 公式サイト:https://www.tatemonoen.jp/
車での行き方
五日市街道沿い、「小金井公園前」信号で曲がるところにある「小金井公園第一駐車場」に駐車できます。料金は1時間300円、その後20分ごとに100円かかります。交通系電子マネー及びICクレジットが利用可能ですが、紙幣は千円札しか使えず、また土日は上限がないなど、少し不便です。

土日の昼過ぎには駐車場待ち行列ができるので、朝一で行くのがおすすめ!
少し歩くことになりますが、駐車場待ちを避けたいなら近隣のコインパーキングの利用もおすすめです。よく使われるのが「三井のリパーク 関野町1丁目第2 駐車場」。8時~22時まで20分あたり100円、最大料金が入庫後24時間で1,100円なので、長居しそうなときは「小金井公園第一駐車場」よりも安心です。
オンライン予約も
江戸東京たてもの園は、アソビューにてオンラインチケットの販売もしています。日付指定制となり、時間の指定はありません。
指定日の当日17:00以降(10月~3月は16時以降)はキャンセル料が100%発生するので、イベントがなく混雑しなさそうな平日などは、当日券の方がいいかもしれません。

夕涼みなどの人気イベントはチケット購入の行列ができるので、事前予約必須!
江戸東京たてもの園のみどころ
昔の町並みにタイムスリップ

江戸東京たてもの園では、江戸から昭和にかけての建物が移築されており、一歩足を踏み入れるとまるで生まれる前の日本にいるような、でも懐かしい、不思議な気持ちがあふれてきました。
例えば「子宝湯」という銭湯は、昭和初期の銭湯をそのまま再現しており、立派な唐破風造りの屋根やレトロなタイル絵が人気。下町の商店街エリアには「花市生花店」や「万世橋交番」などが並び、散策するだけで当時の生活を想像できます。
まるで映画やドラマのセットに入り込んだような町並みで、写真撮影にもぴったり。カップルで「ここはどんな時代かな?」なんて会話を楽しみながら歩くのもおすすめです。東京にいながらも、地方の古い町並みに旅行している感覚を味わえます!

「今月お金が厳しくて旅行はちょっと…」という時におすすめ!!
建物の中まで入れる体験

外観だけでなく、実際に建物の中を覗くことができる点も魅力です。例えば近世後期に建てられ、現在では小金井市指定有形文化財に指定される「吉野家住宅」。名主の家としての格式が見られる…とのことですが、今見るとなんだか不便そう。今の暮らしがいかに豊かで恵まれているか、ということに想いを馳せたりもしました。
江戸川区小岩に建てられた和傘問屋「川野商店」では、当時の商売道具や商品が展示され、昭和の商店街で買い物をしている気分を味わえます。傘は今と変わらない形状ですが、ビニール傘が主流の現代と違って、カラフルな傘が多かったことが分かりました。

外観の「古き良き日本って感じで素敵!」だけでなく、中を見ることでより生活の様子を詳しく知ることができます。
ジブリ映画「千と千尋の神隠し」のモデルも!?

江戸東京たてもの園は、映画好きやジブリファンにも大人気。ジブリ映画「千と千尋の神隠し」の油屋を思わせる建物が並ぶ「東ゾーン」は、特にフォトスポットとして有名です。
中でも「武居三省堂」という文具店は、釜爺が働くボイラー室のモデルといわれていて、ジブリファンの聖地のひとつ。
着物や浴衣で訪れる人も多く、町並みに自然に溶け込んだ雰囲気の写真が撮れると評判。さらに、商店街エリアの赤提灯や古い電柱なども、まるで昭和の映画ポスターのような1枚が撮れます。どこを切り取っても絵になる景観なので、フォトデートにも最適です。

男子集団が「せんちひだ!せんちひだ!」と言ってたんだけど、千と千尋の神隠しって「せんちひ」って略すん???
歴史を学べるスポット

歴史的に価値のある建物も多く残されているのがこの園の大きな特徴。
代表的なのが「高橋是清邸」で、昭和初期に起こった2・26事件の舞台として知られています。実際に邸宅の中に入ることができ、当時の居間や寝室を目にすると、教科書で読んだ歴史が一気にリアルに感じられます。実際に室内に入れるので、サンダルや下駄で行く方は靴下をお忘れなく!
【2・26事件とは?】
陸軍の青年将校に率いられた1500人ほどの部隊が、天皇の側近や大臣を次々と殺害し、首相官邸や警視庁などを占拠したのが2・26事件です。2月26日に発生したことから、この名があります。
引用:https://www.nhk.or.jp/archives/sensou/special/warmuseum/11/
また、日本モダニズム建築の旗手と言われた建築家「前川國男邸」も必見。一見「おしゃれで和モダンだな~」とスルーしてしまいそうですが、竣工は1942年。戦時体制下という建築資材の入手が困難な時期に建てられたと考えると、建築への強いこだわりや愛を感じます。他にも著名な建築家の自邸が展示されており、近代建築のデザインを間近で見学可能です。
さらに実業家西川伊左衛門が来客用&隠居用に建てた「西川家別邸」は、地域史にも触れることができます。いわば別荘であるにも関わらず、細部まで凝ったデザインにこだわりと財力を感じます。今ってこれほど豊かな実業家って日本にいるんですかね?公式ブログによると、障子は季節に合わせて張り替えているのだとか!スタッフの方々の力で、今でもその「格」が守られているんですねぇ。
建物ごとに解説板やスタッフによる案内があり、もともとの知識がなくとも時代背景を学べるのも魅力!歴史好きのカップルはもちろん、普段あまり歴史に触れない人でも「意外と面白い」と夢中になれる展示内容です。

「めっちゃ歴史好き!」とかでなくとも、教科書に出てきたものの実物を見れるって楽しいですよね!
グルメスポットも充実
たっぷり歩いた後は園内や周辺で休憩できるのも嬉しいポイント。飲食店にも復元された建物が使われており、より当時の世界に没入できます。
武蔵野茶房
西ゾーンにある復元建造物「デ・ラランデ邸」のレストラン。白壁に赤い屋根がかわいらしく、テラス席での飲食も可能です。ハヤシライスが1,760円、有機コーヒーが704円などと価格帯は少しお高め。ただし外観も内装も、そしてウェイトレスさんも大正ロマンを感じる雰囲気なので、場所代ということで。お食事のご提供は15:00までなのでご注意ください。
たべもの処「蔵」
東ゾーンの下町中通り、店蔵型休憩棟の2階にあり、手打ちうどんや日替わり弁当が食べられるレストラン。コシのある細麺が特徴の武蔵野つけうどんが750円、クッキー付きのコーヒーが400円と、お財布に優しい価格帯。
ミュージアムショップ&カフェ
レトロ可愛いグッズが立ち並ぶ店内の奥に、実はカフェがあります。こちらは300円程度で飲み物やデザートがいただけるので、帰る前の一休みにおすすめ。
季節ごとのイベントも満載!
5月の「こどもの日イベント」や8月頭の「夕涼み」、11月の「紅葉とたてもののライトアップ」など、季節ごとにイベントも開催されています。
「伝統工芸の実演」では、陶芸や織物など、日常生活ではなかなか見ることのできない、職人さんの貴重な手さばきを間近で見ることができます。園内の建物で開催されるので、写真に収めても絵になりますし、「昔の人」になりきって出来上がる品物を眺めるのも楽しいです。
「ミュージアムトーク」は第4土曜日の14:30~開催され、学芸員さんの解説を聞きながら園内を回ることができます。
古き良き日本の雰囲気をまったり楽しもう
江戸東京たてもの園は、「居る」だけで昔の日本を感じてノスタルジックを味わえる場所です。入場料も400円と破格で、時間制限もありません。
1時間サラッと見るだけでもよし、半日かけてゆったり歩くもよし、和グルメを楽しむもよし、写真を楽しむもよし…各々の好みに合わせてさまざまな楽しみ方ができます。
世界観がしっかりと固められているため、むしろ温泉街よりも情緒を感じられるかも?
季節ごとにイベントや植物の様子も変わるため、何度も足を運びたいスポットです。

知的好奇心と懐かしさを呼び起こされること間違いなし!
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